2018年1月25日

モノサシ

卓球の水谷選手が全日本選手権で14歳の張本選手に敗れ、発したコメントがニュースになっていました。


ネットユーザーからは "水谷選手は潔い!" と称賛の声が多数上がったとのことですが、コメントの最後に「張本が来る前にたくさん優勝していてよかった」と締めくくっているあたり、潔さだけから来るものだったかは定かではありません。

一つ自分なりの解釈をすると、水谷選手は卓球の最高峰レベルの正確なモノサシを持っているんだなと感じました。
評論家の言うところの「技術面では・・・」「経験では・・・」などの分析を駆使してどちらが強いかという見立てを全て吹っ飛ばす答えだったのかもしれないです。そのレベルの人のモノサシが発信されたのですから。


大学を卒業し、サッカー選手としての生き方に区切りをつけ、普通に働いていた時の事ですが、営業接待中の居酒屋でサッカーの日本代表戦のテレビが流れていた事がありました。

たまたま居合わせた居酒屋にいる皆さんもテレビを観ながらお酒を呑むわけですが、日本代表のワンプレー、ワンプレーに歓声と落胆しながらテレビに向かって叱咤激励の言葉を投げかけます。

その頃の自分の中のサッカーは"観るスポーツ"ではなく、"やるスポーツ"だったので、どうにも周りの叱咤激励の言葉が気になってイラついたのを覚えています。

「今のは難しいプレーなんだよ。野次るほどのプレーじゃないよ。」、「シュートがすごかったんじゃないよ。ポジションが良かったんだよ。」もちろん心の中での愚痴ですが。



今では観るスポーツの分野に携わっているので色々な見方がある事自体が正解だと思いますし、むしろ経験者、未経験者関係なく胸を打つプレーの存在にも気づいています。



しかし、育成年代の子供に関わる立場となると、ちょっと話は違ってきます。

夢や目標に掲げたレベルに対しての距離を正確に伝えてあげて、子供自身に認識させてあげる必要があります。なので指導者は正確なモノサシを持っていないといけないので大変な仕事だと思います。

しかも育成年代となると、勝った負けたで判断されてしまうこともあるので、なおややこしいですね。

勝敗で判断されたモノサシで引いた線があるとするならば、その線の太さを見てあげると浮かばれる指導者と子供がいると思います。短くても太い線を描く時期だと思います。


野球界からもDeNAベイスターズの筒香選手が勝利至上主義について語っています。これも筒香選手のモノサシが示したものです。

この手の話は、よくどっちが大事かと言う議論になりますが、白か黒かの話ではなく優先順位の話ですよね。

太くて長い線 > 太くて短い線 > 細くて長い線 > 細くて短い線

この優先順位を前提に勝利至上主義に向き合おう。

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